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不動産を負担付で贈与する方
贈与とは「無料で財産を与えること」をいいます。 不動産の相続では財産を取得した者に相続税が課税されます。 そこで、この相続税を逃れるために生前に相続人に多額の財産を贈与するケースもあります。 贈与は、そういった相続税では課税できない部分を補うために贈与税という形で、納税することが多くあります。 しかし、財産を贈与といってもすべてが望ましい形でされるとも限りません。 ときには借金や権利付きの不動産の場合もあります。 このような不動産の取得や譲渡に関しては、その財産を適正な時価で把握することが必要となります。 権利関係の整理から、時価評価の査定まで不動産がお役に立ちます。 事例を見てみます。
負担付贈与の土地評価
愛知県のAさんは、母親が銀行から融資を受けて建てたアパートを相続対策のため、借金の負担付で母親から生前贈与を受けることになりました。負担付贈与の場合、土地や家屋の価格は相続税評価額によらず、その取引時における通常の取引価格によらなければならないので、鑑定評価が必要になりました。
2,700万円
但し、借入金残高2,500万円で200万円相当の贈与
従来、負担付贈与は、土地、家屋などの不動産の時価と相続税評価額との開きに着目して贈与税の負担を回避するものでした。
このような贈与税の税負担費に対して、課税の構成を確保する見地から、土地や家屋などを負担付贈与する場合には、相続税評価額によらずに、その取引時における通常の取引価格によって評価することになっています。
所在地 | 愛知県 |
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用途地域 | 第二種住宅地域(建ぺい率60%、容積率200%) |
土地面積 | 180㎡ |
道路 | 南側幅員約6m舗装市道 |
概要 | 長方形の中間画地に建つ2階建共同住宅 |
- 原価法と収益還元法を適用し、かつ地価公示価格などを基準としました。
- 原価法は建物の再調達減価に減価修正を行い、建物価格を求め、取引事例や地価公示価格から土地価格を求めました。
- そこで、建物価格と土地価格を合計、この手法により求められた積算価格は2,880万円と求められました。
- 次に、収益還元法ですが、本件はもともと賃貸収入が目的の収益物件です。
- 実際の賃料を適正なる還元利回りで還元して、この手法による収益価格を2,520万円と求められました。
- いずれも信頼できる価格ですので、その中間値2,700万円をもって鑑定評価額としました。